日記

映画「ベスト・キッド」レビュー(オリジナルを知っている人向け)

投稿日:2010年8月11日 更新日:

最初に言っておきますが、想像よりもずっとずっとよく出来ていました。
オリジナルが偉大であるために批判されることはあるでしょうが普通に良作だと思います。
オリジナルを知らない人向けならなおのこと良作だと思います。
上映時間は長いけれどテンポよく進むので退屈しないし、映像やアクションは25年前とは比べ物になりません。
オリジナルのストーリーをなぞりつつも独自の部分もあります。
万人受けする良い作品だと思います。




オリジナルを知っていればニヤリとするようなセリフやシーンも随所にあります。
もちろんコブラ会の教えは中国にも根づいているぜ(ニヤニヤ)
ライバル道場に2人で乗り込む時のシーンはオリジナルにクリソツ。
ここでも思わずニヤリとすること間違い無し。


最後のトーナメントもオリジナル通り。
でも最後の必殺技はマネ不可能だなぁ。
そうそう、あのトサカ頭が何のために出てるのか、わからない人は多いと思う。
あれはおそらくオリジナルに出ていたキャラのオマージュ。
派手な旋風脚を使っていた準決勝でライバルに負けてた妙に強いあのキャラ、覚えてるかな?


しかし褒めてばかりもいられない。
どうにも納得できない点はある。
ということでここからは辛口レビュー。
まだ観てない人、観て感動している人は読まない方がいいです。
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致命的な欠点として、何と言っても主人公が小さすぎる。
設定では12歳だけど実際にはさらに小さい小学校3,4年生ぐらいにしかみえない。
こんな子どもが本格的なカンフー技で戦うと言っても説得力は皆無だ。


となるとライバルだってやっぱり小学生。
だからジャッキーがカンフーを初披露するシーンではまさにジャッキー無双。
袋叩きにあっている主人公を助けるために登場するわけだけど、いかんせん相手は子供。
何人なぎ倒してもカンフーの凄さは伝わらず、逆に「ジャッキー、手加減してやれよ・・・」となってしまう。
小学生が何人かかっていってもジャッキーに勝てるわけねー(笑)
ちなみにライバルの憎ったらしさはオリジナルを超えていると思います(笑)


ということでクライマックスであるカンフー大会のリアリティが無い。
いわゆるカンフー映画のアクションの連続で、派手な技、派手なノックアウトのオンパレード。
プロレス技のフランケンシュタイナーまで使っちゃうぜ!
でももちろんそんな細っこい子供に相手を吹っ飛ばすほどのパワーがあるわけもないことは言うまでもない。
すべてにおいて軽いのだ。
まあ、カンフーアクション映画のカンフーは全部そうだから、「カンフーキッド」としてならOKなのか。


しかも大会は素手素面で打撃技や組技のフルコンタクトガチンコ勝負、もちろん顔面パンチもあり。
試合は一応ポイント制だが実際にはノックアウトしまくり。
そんな大会やったらケガ人続出間違い無し、下手したら死人も出るっちゅーの!


さらにそんな大会を狂喜して見ている親たちに違和感ありまくり。
自分が親だったら悲惨すぎて見てられないと思う。
というかこんな危険極まりない大会、絶対参加させないよね。


そして主人公もライバルも子供ならヒロインだって子供。
子供同士のラブシーンなんか見せられてもなぁ・・・
そんなシーンにリアリティも必然性も全く無いわけで、誰がこれを見て感情移入できるんだろうと疑問に思う。
子供なんだから淡い恋心を見せるだけでよかったんじゃないのかね。


また、140分と長い割には必要なシーンが少なく余計なシーンが多い。
遠足なんかはストーリー上ではまったく意味ない。
中国当局に「紫禁城と万里の長城は絶対出すように」と言われたんだろうと想像してしまう。
そんなシーン入れるなら師弟関係や特訓のシーンを増やせよ。


ジャッキーとジェイデン、せっかくの師弟関係も消化不足。
おいおい、そこが一番の肝だろう?
オリジナルではミヤギ先生とコブラ会の先生の2人の対比をちゃんと描いていたのに対して、今回はそういう点は殆ど無し。
一応ジャッキーの過去話なんかも出てくるけど、それだけではジャッキーが強い理由も戦わない理由もイマイチ弱くて伝わらない。
映像とアクションは進化したが、「戦いとは何か」「武道とは何か」という物語の奥底に流れるテーマは退化したといえる。
盆栽で言えば「枝葉は生い茂ったが根は貧弱になった」という状態だろう。


「カンフーキッド」ならこれでいいだろう。
しかし「カラテキッド」を名乗るのならその点はしっかりして欲しかった。
ジャッキーは「カンフーキッド」にするべきだと言ったようだが、ウィル・スミスが「カラテキッド」にこだわったらしい。
「根が強ければ木は生きる」というミヤギ先生の言葉、制作者は理解していなかったようだ。


結論としてこの映画は「ウィル・スミス夫妻が25年前のシナリオをつかって撮った息子のプロモーションビデオ(中国観光付き)」って感じだ。
せめてあと5年後に作っていればちょうど良かったのに・・・
悪くない作品の出来だけにその点が悔やまれる。
もうちょっと息子の成長を待てなかったのかなぁ。


「カンフーキッド」としてなら高評価出来る作品だと思う。
しかし「カラテキッド」のリメイクとしての評価は残念ながら低いと言わざるをえない。
さてジェイデンとジャッキーの師弟コンビ、続編はどうなるのかな?
次は島か?でんでん太鼓か?
そもそも続編は出るのか?


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ダニエルさん

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