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熊谷市筑波2「いなほ」のスプーンで喰べる元祖親子丼

熊谷のグルメ

ある日、私は一仕事を終え、気分揚々で熊谷駅周辺を歩いていた。
ちょうどお昼時だ。
時間はあるし、腹も減った。
気楽に一人でふらっと入れる店がいい。



ほほぅ、親子丼か。
いいじゃない、いいじゃないの。
よし、ここで食べていこう。



お店の名前は「いなほ」というか。
小料理屋というか居酒屋というか、酒を飲まない私は入る機会がないような店だ。
ランチタイムだからこそ入れるな。



店内もそんな雰囲気、アウェイ感ありありだ。
ランチタイムにもかかわらず、メシだけ注文するのも申し訳ない気分になるが、多分それは気のせいだ。



さて、今日はなんといっても親子丼の気分だ。
スプーンで食べる親子丼とは、この店の雰囲気からすると不思議な感じだ。
よし、これでいこう。



さーて、来た来た。
いかにもな丼、いかにもな味噌汁、いかにもな小鉢。
そこに使い捨てスプーンが何ともシュールで異彩を放っている。



丼の蓋を開けると・・・

立ち昇る温かなダシとタマゴの香りが私の鼻をくすぐる。
眼と鼻と舌に神経が集中する。
「俺は腹が減っていたんだなぁ」ということを再認識させられる時だ。




目の前に現れたるは金色の野。
生命の源であるタマゴが見渡す限りに広がっている。

その素晴らしい光景に、しばし心を奪われる。
蒼き衣を纏いていないのが悔やまれるところだ。




そしてその黄金の大地に埋もれるは生命の結晶である鶏肉。
生命の源と結晶を同時に摂取することは、宇宙を喰らう行為といっても過言ではない。





それでは頂こう。
おぅおぅ、味はけっこう濃い目だな。
鶏肉はしっかり味がしててグー。
たっぷりのタマゴは丁度よい火加減、トロトロにして絶妙の固まり具合だ。




しっかり粒の立ったご飯にタマゴとだし汁が混ざってつゆだくに。
そこに卵の甘みと鶏肉の旨味が合わされば美味くないわけがない。

くぁ~、これだよこれ、親子丼はこれじゃなきゃね!
こりゃあ確かに箸で食べるのには難儀しそうだ。
なるほど、だからこそのスプーンなんだな。




小鉢もついてる。
濃い目の親子丼に、こういうちょっと甘目の煮物はちょうどいいね。



ふぃぃ、ご馳走様でした。
食べる前までは散々難しいことを考えたけど、一口食べた途端にそんなことは消え去っていたよ。
やはり俺は頭より舌で考えるほうが似合っているぜ。
それじゃあ午後も元気で行ってみよう!

     
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この記事を書いた人


肉とジャンクフードをこよなく愛する男。本職は籠原の不動産屋さんです。
【籠原の不動産屋さん】紀ノ国商事株式会社
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