ばかやろう!
「全力は出しきった」「悔いはない」「これ以上は無理」だと?
自分で自分の限界を決めるとは何事だ!
そんなことだからお前らはいつまでたっても成長しないんだ!
自分で限界と思っていた先にも広大な世界が広がっているんだよ!
しかし言葉で言っただけで納得するお前らではないだろう。
どうやらここは俺の体験を聞かせてやるしか手はないようだな。
去年、一昨年と繰り広げられたあの激しい肉祭りが今年もまた開催された。
そう、ケンタッキーフライドチキンの食べ放題祭だ。
当然の事ながら今年も強敵(とも)たちと参加した。
過去の記事
2012年
ケンタッキーフライドチキン食べ放題!炎の咀嚼!くいしんぼvsダニエル 前編
ケンタッキーフライドチキン食べ放題!鋼鉄の胃袋!くいしんぼvsダニエル 後編
2013年
今日はKFC食べ放題祭り!その1 準備編
今日はKFC食べ放題祭り!その1.1 胃休み編
今日はKFC食べ放題祭り!その2 激闘編
今日はKFC食べ放題祭り!その3 煉獄篇
やってきたのはウニクス上里のフードコートにあるKFC。
今回のメンバーはくいしんぼさんファミリー、らっかさん、みちさんだ。
くいしんぼさんとらっかさんは去年も同じ場所で共に戦った仲だ。
みちさんとは初対面だが、なんといっても女性だ。
はっきり言って敵ではないだろう。
というか、何故にしてこんな肉汁祭りに参加?
女子供の出る幕じゃあ無いぜ?
こうなると例年通り、くいしんぼさんと俺の一騎打ちとなることは間違いない。
午前11時、戦いの火蓋は切って落とされた。
開始時間に少々遅刻してしまった私。
他のメンバーは既に戦闘開始している。
そこに追いつくべく、挨拶もそこそこに猛然とフライドチキンに取り掛かる。
むぅ、デカいピースだな。
しかし、その程度ではこの俺を止めることは出来んぞ!
あっという間に3ピースを平らげ、お替わりを3ピース頂く。
他のメンバーは順調に食べ進めているようだ。
まだまだ序の口だ。
KFCのフライドチキンは快楽度が非常に高い一方、食べる限界量を超えると一転して地獄の苦しみになる。
同じ味、同じ衣、同じ油が続くのはとてもキツイことを過去の戦いで学んでいる。
そこで前回は店員さんの許可を得て、数々の調味料を駆使した。
今回もその手段を取らせてもらおう。
色々と分析して私が用意した調味料は3つ。
まずは「ガーリックタバスコ」だ。
その辛味と強烈な酸っぱい香りでダウンした食欲を再起動させることが出来る。
ただし、大量にかけると酸味でむせる危険あり。
むふぉっ!むふぉっ!むふぉっ!むふぉっ!
続いて「柚子胡椒」だ。
しばらく前にリンガーハットの餃子につけて食べた時にハマったもの。
柚子の爽やかな香りと胡椒(といっても唐辛子)の刺激的な辛味でKFCの肉と衣の味を完全に消し去る強力なアイテム。
油と脂にまみれた口の中がオールリセットされるほどのパワーを持つ。
ただし、あまりに辛味が強すぎるため、使用量を間違えると口内がヒーヒー状態になってしまう。
ヒー(汗)、ヒー(汗)、ヒー(汗)、ヒー(汗)
最後に「サルサチーズペースト」だ。
チーズのコクとサルサの酸辛味は対象物の味を1ランクグレードアップさせてくれる。
ただしチーズ系の特性として、よりヘヴィーになるのは仕方ないところ。
これらのアイテムを駆使し、なんとか9ピースを平らげる。
一昨年は11ピース、去年は12ピースを食べた。
が、正直言って現時点でかなりキツイ。
トッピングを駆使してもここらへんが限界、脳がフライドチキンを拒絶しているのだ。
もう匂いをかぐのもウンザリしている。
くいしんぼさんを見ると、やはり手が止まっている。
奴も同じ苦しみを味わっているに違いない。
ここはドリンクとポテトをお替わりして気合を入れなおそう。
フライドチキンはもう一口も食べられない気分だが、ポテトは全然別物のようにパクパク食べられる。
そう、この戦いは胃袋の容量の問題ではなく、脳の問題なのだ。
そしてチーズディップはポテトには非常によく合う。
しかし、過去の自分には及ばないとはいえ、強敵(とも)の前だ、無様な姿は見せられない。
デヤァァァァァァ!!!!
渾身の気合と共にお替わりをオーダーする。
「チキンをもう1ピースだ!」
これが最後の1ピースだ。
手に取るのでさえキツイところではあるが、なんとしても食べきらなければならない。
柚子胡椒を塗って何とか食べすすめることにする。
一口かじり取って咀嚼、コーラとともに飲み下す。
一口かじり取って咀嚼、コーラとともに飲み下す。
一口かじり取って咀嚼、コーラとともに飲み下す。
無限とも思える地道な作業の末、なんとか食べきることが出来た。
こうして今年のチャレンジはフライドチキン10ピース、ポテト2、コーラ3で終了した。
くいしんぼさんは俺よりも少し多い数を食べきっているようだ。
お互いの視線が絡み、その瞳で語り合う。
「くいしんぼ、やるな!」
「ダニエル、お前もな!」
どちらとも言わずに差し出した手をがっちり握り合い、俺達はお互いの健闘をたたえ合った。
この祭りも3回目、既に俺達はお互いの喰力(クイリー)を理解し合っている。
俺が味わっている苦しみはヤツも同じように味わっている。
言葉は交わさずとも全てを理解し合えるのだ。
握ったその手は油と脂でぬめり、その目には肉汁のような涙が浮かんでいた。
と、その時、可憐な声が店内に響いた。
「ほっほっほっ、もう終わりですの?噂ほどにもないですわね?」
驚いた俺はその言葉を発したみちさんを問い詰める。
「失礼な!俺達は正々堂々と全力で戦い、そしてお互いを認め合ったんだ!」
くいしんぼさんも続く。
「戦士の会話に口を挟まないでもらおう!わきまえたまえ!」
らっかさんも加勢する。
「やいやいやい、偉そうなことを言うお前は何ピース食べたんだ!」
激昂する俺達の前でみちさんは微笑をたたえて答えた。
「あら、ほんの12ピースほどですわ?」
予想外の答えに言葉を失う俺達。
だがしかし、間違いはないようだ。
そして更に追い打ちを掛けるように彼女の口からオーダーが放たれる。
「お替わり、3ピース」
サーブされた3ピースも見る見るうちにみちさんの口の中に消えていく。
「ば、ばかな・・・」
「俺達でさえ10ピース前後が限界だぞ・・・」
「まだ喰えるのか・・・」
呆然とする俺達の前で平然とオーダーするみちさん。
「お替わり、今度は2ピースでね」
その2ピースも平然と食べ進めるみちさん。
その表情に苦悶は無く、むしろ歓喜の微笑が絶えない。
「16、17・・・喰力がまだ上昇している!」
「どうなっているんだ?これは夢か幻か?」
「まだまだいけそうだぞ!」
もはや彼女以外の時は止まっていた。
誰もが信じられないような表情を浮かべて見守っている中で相変わらず美味しそうに食べているみちさん。
しかも骨だけをきっちり残し、肉片や衣を一切残さない、とても綺麗な食べ方だ。
そのアンバランスな凄さと美しさを俺達は夢のように見ているしか無かった。
お店の人に聞いたところ、これまでの記録は15個らしい。
17個はその記録を塗り替えたということだ。
パチパチパチパチ・・・
その素晴らしい記録に自然と拍手が沸き起こった。
しかし、みちさんの言葉はその温かい拍手を一瞬で凍りつかせる。
「それじゃあ、最後にもう3ピース、お願いしますね」
もはや俺達に言葉は無かった。
あんぐりとあけた口はワッパーが3個は入るほど広がっていた。
フライドチキンの油と脂が回って朦朧としている脳では現状認識は出来やしない。
最後の3ピースも相変わらずの微笑と綺麗で丁寧な食べ方で消えていく。
最後の骨がバスケットに置かれた時、スタンディングオベーションが巻き起こった。
今度の拍手はいつまでも凍りつくことはなかった。
俺達は悟った。
「井の中の蛙 大海を知らず」の言葉通り、上には上がいるということを。
世界はまだまだ広いということを。
そしてみちさんが「姐さん」「ボス」と呼ばれるようになったことは言うまでもない。
完
ということで今年もチャレンジしてきました、KFC食べ放題。
いや~、凄かったですね!
今回の主役はもちろんみちさん。
他のメンバーは文字通り「その他」ですね。
今回の記事はやや誇張されている表現こそありますが、20個完食はまごうことなき真実。
とんでもない喰力を持つ猛者がいたもんだ!
鶏1羽で9ピースだから、1人で2羽以上を食べた計算になります。
あのスマートな身体のどこに入ってるんだろう?
ブラックホールとしか思えないぞ!
そしてこれがまた綺麗に食べてるんだよなぁ。
見事でした。
食べ終わったあとに「美味しかった~」って言っているのにも愕然。
他の皆は肉と油と脂の苦しさで死んだ魚のような目をしてるというのに・・・
しかも「リミッターを外したことがない」「最後まで美味しく食べられました」「甘いものと一緒ならもっと食べられる」「まだ行けるけど・・・恥ずかしいから・・・」などと言っております。
こりゃあモノが違いますわ・・・(唖然)
そして私の2倍の数を食べています。
この俺がダブルスコアで負けるとは・・・
もう「籠原の肉食獣」「肉汁ハンター」「血管に肉汁が流れている」なんて言ってたのが恥ずかしいですよ!
これからは「籠原の肉食虫」あたりにしときます、ハイ。
最後はくいしんぼさんのオゴリでアイスの乾杯。
お疲れ様でした!
今年は苦しくも楽しくも驚愕のKFC祭りでしたね。
次回も是非、姐さんの食べっぷりを見たいっす。
お供いたしますので!
ケンタッキーフライドチキン食べ放題!2014
ケンタッキーフライドチキン食べ放題!炎の咀嚼!くいしんぼvsダニエル 前編
この世には二種類の人間がいる。 祭りに参加する者と見てるだけの者だ。
ケンタッキーフライドチキン食べ放題!鋼鉄の胃袋!くいしんぼvsダニエル 後編
その1からの続きです。 ケンタッキーフライドチキン食べ放題!炎の咀嚼!くいしんぼvsダニエル 前編
今日はKFC食べ放題祭り!その1 準備編
いつの日かと おそれていた~♪ いつの日かと 夢みていた~♪ 心めざめ つばさひろげて~♪ 旅立つ日 ケ~ンタ~~♪
今日はKFC食べ放題祭り!その1.1 胃休み編
ケンタの空を つらぬいて 地球をうった 肉汁は 我ら幼い胃袋に 目覚めてくれと 放たれた
今日はKFC食べ放題祭り!その2 激闘編
燃え上がれ~♪ 燃え上がれ~♪ 燃え上がれ~ケンタ~♪ 君よ~♪ 喰らえ~♪
今日はKFC食べ放題祭り!その3 煉獄篇
男なんだろ? くずぐずするなよ 腹のエンジンに 火をつけろ 俺はここだぜ ひと足お先 光の速さで チキンをお替りさ 若さ 若さってなんだ 貪り喰うことさ 愛ってなんだ 食べ残さないことさ
コメント
KFCのフライドチキンは時に無性に食べたくなる時があります。
しかし、食べ放題といっても普通なら7,8ピース。
気合いを入れても10ピースを少し上回れば上出来です。
みちさんの20ピースという記録は驚異です。
友達の間でも大食いの私ですが、体調万全で様々な条件がかみ合っても20ピースにはたどり着けないでしょう。
リポートから想像するみちさんは最後まで美味しそうに食べ続けた様子です。
悲壮感など少しも感じられません。
食べ物とは美味しく食べてこそ価値があるものです。
また次回も期待しています。
是非みちさんも同行して頂ける事を希望致します^^
超くいしんぼーさま
私の美味しく食べられる限界は5,6ピースってところですね。
それ以上は急に苦行となります(笑)
20ピースを美味しく綺麗に食べるのは異次元の話ですね(笑)