その1からの続きです。
ケンタッキーフライドチキン食べ放題!炎の咀嚼!くいしんぼvsダニエル 前編
この深谷店では映画館のように45分毎に入替制で、1回につき15人前後の挑戦者が入れます。
全員同時スタート、同時終了というシステムだ。
なるほど、それなら合理的で運営もしやすいね。
そのため、席はかなり余裕がある。
全部詰めれば一度に30人は入れただろうけど、15人前後に絞られたため、店内での混乱は皆無だったよ。
そして運命の時。
店員さんが声高らかに「スタートです!」と叫ぶ。
我々の祭り(たたかい)が始まった。
各参加者、一斉にチキンにかぶりつきます。
うめぇ!
チキンは揚げ置きのため、さすがに揚げたての味には若干劣る。
しかし食べやすさは抜群だ。
口や指を火傷する心配はない。
さくっと2ピースを片づけ、3ピース目にとりかかる。
その時、隣に座る男から「お替りくださ~い」の声が。
まだ開始から3分も経ってないぞ!?
伊達に「くいしんぼ」を名乗っているわけでは無いということか。
「飯・即・喰」
これが俺たちが共有する唯一の正義。
開始から約5分、お替りを注文。
今度はドラム、ウイング、リブか。
まだまだ楽勝だ。
リブは胸の肋部分。
味的には普通だが、骨が多いために食べづらい。
1.0ピース相当。
ウイングは羽の部分。
よく動く所なので美味しいと言われる。
でも一番小さくて可食部分が少ないため、これだけは0.5ピース相当。
だからKFCでオリジナルチキンを1個だけ買う場合、コレが出てくることはない。
サイが1.5ピースなので、サイ+ウイングで2.0ピースとなるわけだ。
さすがに結構厳しくなってきた。
途中途中でコールスローでリフレッシュ。
ただしこのコールスロー、けっこうマヨネーズがキツイ。
生野菜だけ食べたいなぁ。
これまでに6ピースを食べ、もう充分に満足なレベル。
しかし、この祭りに参加できなかった戦士たちの魂に応えるために、我々は全力を尽くす義務がある。
開始から12分ほど、また3ピース追加だ。
今度はウイング、キール、サイ。
くぅぅ、ヘヴィーな奴らが来たぜ。
深谷店ではチキンの入ったバスケットを持った店員さんが席間をまわり、お替りコールでチキンを追加してくるシステム。
埼玉北部でよくあるピザの食べ放題のお店と似たオペレーションだね。
だからお替りに要するタイムロスは殆どなしで、部位指定も出来る限り聞いてくれた。
ただし、揚げたては望めない。
もっとも、揚げたてを食べるのは危険で困難だけどね。
キールのパサパサが俺の気力体力を奪う。
さらに衣の味の濃さによるのどの渇きや脂が足を引っ張る。
食べるペースはがくっと落ちる。
6ピース目までは比較的楽に食べられたが、7ピース目からは急にきつくなった。
ここが分水嶺か。
しかし隣の男はまだまだ快調に飛ばしている。
ええい、この男は化け物か!
開始から20分過ぎ、すでに腹の中には9ピースのチキンとポテトSが入っている。
正直言ってキツイ。
延々と同じ味を食べ続けて、胃袋以上に気力が萎えている。
しかし、戦いたくても戦えなかった勇者たちのために、ここでダウンするわけにはいかない。
最後の力を振り絞って2ピース、お替りだ。
とはいえ、ここでまたサイやキールが来たら討ち死にだ。
ドラムとウイングで許してもらおう。
意識朦朧となりゾンビのように咀嚼し続ける私、しかし隣の男は「ポテト、お替りしちゃおうかな~♪」などとぬかしている。
な、なんだと・・・
この男、血管に鶏肉汁が流れているに違いない。
脳は油に侵食され、指は脂にまみれ、そして顎は疲れ果てている。
いつもなら一瞬で食べられるドラム、こんなに重かったか・・・?
胃袋も脳もとっくの昔に悲鳴を揚げている。
しかし、喰いたくても喰えなかった同志たちのために、DNAに染み付いた喰い意地だけで戦い続ける。
少しずつ噛り、少しずつ飲み込み、少しずつ噛り、少しずつ飲み込む。
一口一口は少なくとも確実に前進するのだ。
コーラのお替りを貰おう。
それにしてもコーラの威力は抜群だ。
一口すすっただけで口内のチキンの脂も味も消し飛ぶ。
「清涼」飲料水とはよく言ったものだ。
通常、食べ放題では炭酸飲料は禁忌とされるが、今回ではコーラがベストチョイスと自信を持って言える。
ありがとう、コーラ!
そして短くて長かった45分が過ぎ、安息の空気が店内に流れる。
結局、食べたチキンは11ピース。
とはいえ、ドラムやウイングで数を稼いでいるので、実質はそれ以下だ。
ちなみにくいしんぼさんは12ピース完食、さらにポテトのお替りもしている。
半死半生で言葉少ない私とはまるで違い、その陽気さがまだまだ健在なのも素晴らしい。
完敗だ。
格が違う。
戦い終わった俺達の頭上には蒼空が広がっていた。
そのままアリオに向かい、ガリガリ君梨味を購入。
戦いの余韻を味わう。
くぁ~、うめぇ!
くぁ~、うめぇ!
くぁ~、うめぇ!
ガリ梨、最高の美味さだ!
そしてくいしんぼさん一行としばし歓談、再開を約束し、別れた。
正直言って、彼らが一緒だったからこそ、ここまで戦えたと思う。
やはり強敵(とも)の存在は大きい。
祭りは終わりました。
いや~、それにしてもすごい体験でしたね。
45分は最初は短いと思ったけど、途中で「20分で充分」だと思ったよ。
これ、45分間フルに食べられる人は少なかろうね。
もちろん深谷店のシステムが前提だけど。
1200円は微妙な値段だけど、このイベントで人件費が倍はかかってるため、KFC側としては儲かっちゃうってほどでは無いみたい。
でもさ、KFCの食べ放題祭りに参加することに意義があるんだよね。
ちなみに次の日まで爪の間のチキンの匂いが取れなかったよ(笑)
はぁ~、当分、肉も揚物も喰いたくねぇ~
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