最初に言っておきますが、想像よりもずっとずっとよく出来ていました。
オリジナルが偉大であるために批判されることはあるでしょうが普通に良作だと思います。
オリジナルを知らない人向けならなおのこと良作だと思います。
上映時間は長いけれどテンポよく進むので退屈しないし、映像やアクションは25年前とは比べ物になりません。
オリジナルのストーリーをなぞりつつも独自の部分もあります。
万人受けする良い作品だと思います。
オリジナルを知っていればニヤリとするようなセリフやシーンも随所にあります。
もちろんコブラ会の教えは中国にも根づいているぜ(ニヤニヤ)
ライバル道場に2人で乗り込む時のシーンはオリジナルにクリソツ。
ここでも思わずニヤリとすること間違い無し。
最後のトーナメントもオリジナル通り。
でも最後の必殺技はマネ不可能だなぁ。
そうそう、あのトサカ頭が何のために出てるのか、わからない人は多いと思う。
あれはおそらくオリジナルに出ていたキャラのオマージュ。
派手な旋風脚を使っていた準決勝でライバルに負けてた妙に強いあのキャラ、覚えてるかな?
しかし褒めてばかりもいられない。
どうにも納得できない点はある。
ということでここからは辛口レビュー。
まだ観てない人、観て感動している人は読まない方がいいです。
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致命的な欠点として、何と言っても主人公が小さすぎる。
設定では12歳だけど実際にはさらに小さい小学校3,4年生ぐらいにしかみえない。
こんな子どもが本格的なカンフー技で戦うと言っても説得力は皆無だ。
となるとライバルだってやっぱり小学生。
だからジャッキーがカンフーを初披露するシーンではまさにジャッキー無双。
袋叩きにあっている主人公を助けるために登場するわけだけど、いかんせん相手は子供。
何人なぎ倒してもカンフーの凄さは伝わらず、逆に「ジャッキー、手加減してやれよ・・・」となってしまう。
小学生が何人かかっていってもジャッキーに勝てるわけねー(笑)
ちなみにライバルの憎ったらしさはオリジナルを超えていると思います(笑)
ということでクライマックスであるカンフー大会のリアリティが無い。
いわゆるカンフー映画のアクションの連続で、派手な技、派手なノックアウトのオンパレード。
プロレス技のフランケンシュタイナーまで使っちゃうぜ!
でももちろんそんな細っこい子供に相手を吹っ飛ばすほどのパワーがあるわけもないことは言うまでもない。
すべてにおいて軽いのだ。
まあ、カンフーアクション映画のカンフーは全部そうだから、「カンフーキッド」としてならOKなのか。
しかも大会は素手素面で打撃技や組技のフルコンタクトガチンコ勝負、もちろん顔面パンチもあり。
試合は一応ポイント制だが実際にはノックアウトしまくり。
そんな大会やったらケガ人続出間違い無し、下手したら死人も出るっちゅーの!
さらにそんな大会を狂喜して見ている親たちに違和感ありまくり。
自分が親だったら悲惨すぎて見てられないと思う。
というかこんな危険極まりない大会、絶対参加させないよね。
そして主人公もライバルも子供ならヒロインだって子供。
子供同士のラブシーンなんか見せられてもなぁ・・・
そんなシーンにリアリティも必然性も全く無いわけで、誰がこれを見て感情移入できるんだろうと疑問に思う。
子供なんだから淡い恋心を見せるだけでよかったんじゃないのかね。
また、140分と長い割には必要なシーンが少なく余計なシーンが多い。
遠足なんかはストーリー上ではまったく意味ない。
中国当局に「紫禁城と万里の長城は絶対出すように」と言われたんだろうと想像してしまう。
そんなシーン入れるなら師弟関係や特訓のシーンを増やせよ。
ジャッキーとジェイデン、せっかくの師弟関係も消化不足。
おいおい、そこが一番の肝だろう?
オリジナルではミヤギ先生とコブラ会の先生の2人の対比をちゃんと描いていたのに対して、今回はそういう点は殆ど無し。
一応ジャッキーの過去話なんかも出てくるけど、それだけではジャッキーが強い理由も戦わない理由もイマイチ弱くて伝わらない。
映像とアクションは進化したが、「戦いとは何か」「武道とは何か」という物語の奥底に流れるテーマは退化したといえる。
盆栽で言えば「枝葉は生い茂ったが根は貧弱になった」という状態だろう。
「カンフーキッド」ならこれでいいだろう。
しかし「カラテキッド」を名乗るのならその点はしっかりして欲しかった。
ジャッキーは「カンフーキッド」にするべきだと言ったようだが、ウィル・スミスが「カラテキッド」にこだわったらしい。
「根が強ければ木は生きる」というミヤギ先生の言葉、制作者は理解していなかったようだ。
結論としてこの映画は「ウィル・スミス夫妻が25年前のシナリオをつかって撮った息子のプロモーションビデオ(中国観光付き)」って感じだ。
せめてあと5年後に作っていればちょうど良かったのに・・・
悪くない作品の出来だけにその点が
悔やまれる。
もうちょっと息子の成長を待てなかったのかなぁ。
「カンフーキッド」としてなら高評価出来る作品だと思う。
しかし「カラテキッド」のリメイクとしての評価は残念ながら低いと言わざるをえない。
さてジェイデンとジャッキーの師弟コンビ、続編はどうなるのかな?
次は島か?でんでん太鼓か?
そもそも続編は出るのか?
ちなみにオリジナルのトーナメントシーン。
今見ても燃える!
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コメント
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ドカターさま
この映画は私のバイブルですから!
これを観なかったら私は空手をやることは無かったと思います。
オリジナルの方はパッと見にはアメリカンカラテですが、物語の奥底に流れる空手の精神は良く表現されていると思います。
タイトルが変わったのは何ででしょうね?
いろいろな噂を聞きましたが、正確には分かりません。
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ダニエルさんの名前はここから取られたのですか!?
思い入れの強い作品なのですね(^-^)
1984年のオリジナルは公開当時、私はアメリカにいまして向こうの映画館で観ました。主人公の名前がダニエルというのも覚えていますよ!
細かい英語は判りませんでしたが、大体のストーリーは把握できた記憶があります。
あの頃はまだ1ドル250円ですから日本はアメリカの弟みたいな感じでして空手も東洋の神秘みたいな受けがあったことは事実です。
特に私がいたのは中西部の田舎でしたから現地の人の中には日本と中国の区別もつかず日本人は皆空手の達人だと思っている人もたくさんいました。あと、帰国後日本公開時にタイトルがカラテキッドからベストキッドに変わったのは何故なんでしょうかね???
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にじさま
子供だからこそ出来る話もありますが、逆に子供だからこそ違和感がある話もあるわけで・・・
まあ、そこらへんは主観的なものですから、自分が受けた感性を最も大事にすればいいと思います。
武道や戦いの奥底の話は監督の認識度合いが違うのでしょう。
オリジナルはハリウッドらしからぬ深さでしたので未だに語り継がれているのだと思います。
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亜久里さま
全体的な出来が良いだけに、その点は非常に気になりました。
「子供vsジャッキーじゃあ、そもそも勝負にならんだろ」と言う感じです。
ちなみに私に盆栽の心得は全く無く、この例えは超適当です(笑)
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まみざわさま
思い出補正もあるため、オリジナルと比べるのはそもそも無理なのかもしれません。
どんなに完成度の高いものを作ってもオリジナルを超えられるわけないですもんね。
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はぁ・・・ 納得の続編でした。
武道・戦い~ その辺の定義はわたしも、つきつめて見せて欲しかったです。ただ、子どもが主人公だからこそ、素敵なドラマだった。人はみんな子どもだったわけだし。子ども達にみせたいなあ。
それと中国、行きたくなりました。映像、よかったです。宣伝にのりやすい私。えへっ。
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主人公が幼すぎる…か
確かに、子供のケンカにカンフーを使うっていうのはどぉかと思っちゃいますよね
それにしても、ダニエルさんは盆栽の心得もお持ちなんですか
さすが、ミヤギの弟子だけありますね(= '艸')ムフッ
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周囲の評価はおおむね、同じです(苦笑)
オリジナルが良すぎて、「現代版」ではどうにも違和感が残る、といったところでしょうか。