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抵当権つき賃貸物件は普通か?その3

昨日の続きです。
訪問者数が不動産の記事と食べ物の記事で随分違うのが寂しいです。
でもこれが本業、それに大切なことなので頑張って書きます。
でも書いている本人もあまり面白くありません・・・

平成16年4月1日より廃止されてしまいました「短期賃貸借の保護」。
なぜ廃止されたかというといわゆる「占有屋」が問題になったからです。
短期賃貸借の保護によると、最長で競買後の3年間は賃借人はその物件に住むことが出来ます。
その住んでいる人が893などの怖い人だった場合はどうなるでしょう?
出て行ってもらうには法外な立退き料を請求されるでしょうし、出て行くまで3年も待つのも大変です。
そんな競売物件を買う人はいませんので、競売されることを防ぐことが出来ます。
ですから所有者は物件が競売されそうになると、占有屋と組んで競売の妨害するわけです。
競売が進まなければ銀行などの金融機関は貸したお金を回収できません。
そうなると不良債権の処理が滞ってしまい、金融機関は非常に困ります。
ということで占有屋を助けている「短期賃貸借の保護」を廃止してしまいました。

結局「短期賃貸借の保護」は占有の手段として悪用されているのが実情でした。
とはいえ短期賃貸借の保護がなくなれば、まっとうな借主は非常に立場が悪くなります。
いまさら賃借権と抵当権の関係は原則どおりに早い者勝ちになると言われても困ります。
そもそも短期賃貸借の保護はまっとうな借主を保護するためのものでした。
「短期賃貸借の保護」に代わる借主の保護が必要です。

そこで賃借権と抵当権の関係に関する、民法旧第395条の抜本的改正が行われました。
簡単に言うと「正当な賃借権を持つ者は6ヶ月の明け渡し期間を与える」ということになりました。
ですから競売で物件の所有者が変わり「出て行ってください」と言われたとしても、6ヶ月は住んでいられると言うことです。
以前の短期賃貸借の保護に比べれば借主の立場は弱くなってしまいました。

現実的には賃貸物件を競売で落とす人は、その物件で家賃収入を得ようとしている人です。
賃貸物件には家賃を払って住んでくれる賃借人が必要です。
ですから今住んでいる賃借人とは問題なく賃貸借契約を引き継ぐでしょう。
優良な賃借人は新しい所有者にとってもありがたい存在なのです。

そして大事なことがもうひとつ。
通常、賃貸借契約時に貸主に敷金を預けます。
賃貸借契約が終了時に精算されます。
以前は競売で所有者が変われば、敷金は新しい所有者に引き継がれました。
ですから賃貸借契約が終了時の精算は新しい所有者と行いました。

しかし、この改正でそれがなくなりました。
敷金は原則として新しい所有者に引き継がれません。
ですから、あくまで敷金の返還義務は元の所有者が負うことになります。
ですが元の所有者は競売にかかるくらいです。
敷金の回収は現実的には不可能でしょう。

結局、ほとんどの賃借人にとってこの法改正は良いことはありません。
善良な賃借人よりも不良債権処理を進めたい銀行を優先した法改正といえます。
あまり納得の行く話しでは無いですが、現実問題としてはもう施行されているので仕方ないですね。

今回は簡単に説明しましたが、実際にはいろいろ細かい話があります。
素人判断やネットでの中途半端な知識は危険です。
実際に問題に突き当たったら必ず専門家に相談しましょう。








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