この地方の賃貸物件はだいたい2年に一度の割合で契約更新をします。その時に考えなければいけないのが家賃の変更です。家賃が下がることに文句を言う人は居ないと思いますので、今回は更新時に家賃が上がる場合についてちょっと説明します。
当社で使っている賃貸の契約書にはこのように書いてあります。
「甲及び乙は、次の各号のいずれかに該当する場合には、契約期間中であっても協議の上、賃料を改定することができる。
一 土地又は建物に対する租税その他の負担の増減により賃料が不相当となった場合
二 土地又は建物の価格の上昇又は低下その他の経済事情の変動により賃料が不相当となった場合
三 近隣の建物の賃料に比較して賃料が不相当となった場合」
一 土地又は建物に対する租税その他の負担の増減により賃料が不相当となった場合
二 土地又は建物の価格の上昇又は低下その他の経済事情の変動により賃料が不相当となった場合
三 近隣の建物の賃料に比較して賃料が不相当となった場合」
このように、事情があれば(それが主観的なものであっても)家賃の変更は出来ると契約にはあります。なかには「契約を2年ごとに更新する際に賃料を10%値上げする」というような自動値上げの契約もあり、千差万別といえます。
契約で決まっているとはいえ、借りている人にとって更新時の家賃の値上がりはなかなか納得できるものではありません。
「長期ユーザーに対するメリットは無いの?」
「物件は年数がたって古くなっていくのになぜ上がる?」
「家賃なんて不労所得なのにさらに値上げ?」
などと、いろいろな声が聞こえてきます。
「長期ユーザーに対するメリットは無いの?」
「物件は年数がたって古くなっていくのになぜ上がる?」
「家賃なんて不労所得なのにさらに値上げ?」
などと、いろいろな声が聞こえてきます。
しかし、値上げをするほうにも理由があります。主な理由は地価の変動です。地価はその時の情勢によって大きく変動します。地価が上がれば税金も上がり、大家さんの負担は大きくなります。すなわち原価が上がると言うことです。特にバブル時代は地価がどんどん上がりましたので、家賃もそれに合わせて上がっていきました。もっとも借主も収入が上がっていったので問題はありませんでした。
大家さんも少々の上げ幅であれば我慢も出来るでしょうが、大きく上がるととてもやっていけません。そうなると付近の相場も上がりますし、商品の価格である家賃を上げざるを得ないのです。賃貸は慈善事業ではありませんので損をするわけにはいきません。原油高になればガソリンをはじめ、いろいろなものが値上がりするのと同じです。
大家さんにもいろいろな人がいますから、必ずしも前記の通りとは限りません。なかには最初安い家賃で貸して、更新料や家賃値上げで元を取るという人も居ます。賃貸は商行為であり、契約自由の原則がありますから、こういうことは基本的に法的には問題ではありません。しかし、それに関する裁判が多いのも事実です。
逆に地価が下がれば税金は安くなり、大家さんの負担は減ります。ということは、家賃もそれに合わせて下がるのでしょうか?
結論から言えば下がります。税負担も付近の相場も下がるわけですから、適正な家賃というのも下がるわけです。しかし、貸主から値下げを提案してくることはまずありませんけどね。借主としては更新時は交渉のチャンスですので、付近の相場を知っておくのは良いことです。
結局は需要と供給の関係が一番重要です。「地価が上がる」「物件が少ない」「物件が新しい」などで貸主側が強ければ家賃は高くなり、値上げをされても我慢するしかありません。逆に「地価が下がる」「物件が多い」「物件が古い」などで借主側が強くなれば家賃は安くなり、値下げ交渉も容易になります。
「値上げ要求」は貸主の、「値下げ要求」は借主の当然の権利です。当人同士ですと感情的なってしまうことがありますので、不動産業者や法律家などに間に入ってもらい、冷静に話し合ってみてください。
コメント
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pioneerさん、コメント有難うございます。
入居するまでは貸主、入居した後は借主が強いですよね。そこらへんも徐々に書いていくつもりですので、よろしかったらまた読んでみてください。間違ってたら突っ込んでくださいね。
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日本には借地借家法という法律で、借家人の権利がアメリカなどと比べるとかなり守られていると思います。