お知らせ
2024.04.02

「ビアンキ」の自転車事故で1.5億円賠償命令

自転車で走行中に突然、前輪が外れて転倒し、重い障害が残った茨城県の男性と妻が起こした裁判で、東京地方裁判所は、自転車に欠陥があったことを認め、自転車を輸入した会社に1億5000万円余りの賠償を命じました。

茨城県つくば市の元会社社長、中島寛さん(63)は、5年前、自転車で通勤していたところ、突然、前輪が外れて転倒し、首から下がまひする重い障害が残りました。
乗っていたのは、イタリアの老舗メーカー「ビアンキ」のブランド名で台湾の業者が製造したスポーツタイプの自転車で、中島さんと妻は、輸入元の「サイクルヨーロッパジャパン」に賠償を求めていました。
判決で、東京地方裁判所の白井幸夫裁判長は「事故は振動を和らげるための『サスペンション』と呼ばれる部分が上下に分離したことで起きたと推定でき、自転車に欠陥があったと認められる」と指摘して、輸入元の会社に1億5000万円余りの賠償を命じました。
中島さんの弁護士によりますと、サスペンションは、台湾の別の業者が製造したもので、同じような事故が少なくとも6件起きているということで、中島さんは記者会見で「自転車業界の人たちは、どうすれば事故を減らせるか真摯(しんし)に考えてもらいたい」と話していました。
被告のサイクルヨーロッパジャパンは「主張が認められず、誠に残念です」というコメントを出しました。


チェレステカラーで有名な「ビアンキ」、あれは綺麗な色ですよね。
そのビアンキ、昨日からやってるニュースで何回も見ます。
今回の件、いろいろ調べてみると、いくつかの問題点が見えてきます。

どこの自転車?

まず、今回の事故を起こした自転車の説明から。
この自転車、イタリアの有名自転車メーカー「ビアンキ」のブランド名で、大阪のアキボウが設計・企画し、RST社のサスペンションを使い、台湾ホダカが組み立て、サイクルヨーロッパジャパン社が輸入・販売したものを、ネット通販で購入したものです。
うわぁ、すげぇ複雑!
確かに「ビアンキ」の自転車ではありますが、別にイタリアの職人が設計・製造したわけでは全然なく、名前を貸しただけのものということですね。
ちなみに自転車は各部品を組み合わせて作るため、こういうことは普通です。
なお、今回事故を起こした車種はイタリア本国のラインナップにはありません。

車検制度がない

自動車にはしっかり車検がありますが、自転車にはそうした制度はありません。 自転車はその走る場所とスピードにより、ちょっとしたトラブルで即重大事故につながりかねないものです。錆びついたチェーン、キーキー鳴るブレーキ、充分 に空気が入ってないタイヤ、とても危険です。それなのに、車検どころか定期メンテナンスもしていない人がほとんどでしょう。今回事故を起こした自転車は6 年間ノーメンテナンスだったとのこと。

リコール制度がない

自動車や家電製品などは、不具合があればリコールがかかり、広く周知され、回収や補修になります。でも自転車ではなかなか難しいところです。今回の直接の事故の原因となったサスペンション部品は同様の事故が何件か発生したため、2007年に不具合が告知されています。しかし、殆どの人は知らず、事故を起こした人も知りませんでした。また、販売元のサイクルヨーロッパジャパンも告知をしていなかったようです。

ネット販売の問題点

今回の自転車はネット通販で購入されたものでした。自転車は箱から出しただけでは乗れません。そ の後の調整が必要です。でもネット通販の場合、その調整を自分でやらないといけません。でもそれを知らない人も多くいます。となると未調整や調整不足のま ま走っている自転車がいるということです。これも危ないですね。だから自転車メーカーの中にはネット販売は一切せずに、必ず対面販売をしているところも多 くありますし、自転車の保証対象として「ネット購入でないもの」という文言が入っていることは多くあります。ちなみに今回の件、サスペンション部品のRST社の品質保証基準はネット販売ということで満たしていません。自転車のようにしっかり整備が必要な物をネットで不特定多数に販売することは問題かもしれません。

安い自転車の危険性

昔は自転車は結構高価なものでした。小学生の頃に買ってもらった自転車は4万円くらいした覚えがあります。でも今はホームセンターで1万円以下で買えちゃう時代です。でもその分、車体や部品の精度に不安が残ります。ちなみに格安の輸入自転車はJIS規格の適用外で す。JIS規格で求められる最低限の安全性や性能は保証されていません。特にマウンテンバイクっぽい自転車には注意が必要です。あれは外見がマウンテンバ イクっぽい自転車であり、マウンテンバイクに必要な強度は備えてありません。ですから悪路をガツガツ走るとすぐ壊れても何ら不思議ではありません。大変危険です。

現実問題として

ということで自転車の現状は非常に曖昧です。しかし、現実問題とし て、実際に自転車に乗っている人に危険があるのも事実。それをしっかり認識しておく必要がありそうです。自分で情報を入手してメンテナンスもしないといけ ません。もしそれが出来ないようなら、ちゃんとした自転車屋さんで買って定期的にメンテナンスを受けるべきでしょう。自分の命を預ける自転車ですから、ちゃんとしたものを買い、ちゃんと使いましょう。

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本庄・熊谷・前橋の空手教室 & 籠原の剣道教室

肉とジャンクフードをこよなく愛する男。本職は籠原の不動産屋さんです。
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