お知らせ
2024.04.02

ネットで中傷、名誉棄損…最高裁が初判断

今回は長文かつ堅苦しいお話。
でもネットを使う人には重要なお話です。

注目していた判決が先日出ました。
これは「ネット上の書き込みが名誉棄損に当たるか?」という裁判で、最高裁は「罪に問える」との判断を示しました。
新聞でも大きく取り上げられていたので、ご存知の方も多いと思います。

まずは今回の判決を理解するうえでの流れを記述します。
「事件は2002年のこと」「大勢の人が関心を持つ問題について、社会の利益を図る目的で書いたのであれば、仮に内容が誤っていても相当な理由がある場合、名誉棄損罪にあたらない」(過去の最高裁判例)「ネット上では反論が容易なうえ、個人が発信した情報の信頼性は一般的に低いと受け止められているとして、無罪にした」(東京地裁)「ネット上の全情報を把握し、反論するのは不可能なことや、個人がネット上で発信した情報だから信頼性が低いとは限らないことなどを挙げ、逆転有罪にした」(東京高裁)

そして今回の最高裁は高裁判決を支持し、「不特定多数の利用者が瞬時に閲覧可能」「被害が深刻になりうる」「反論によって名誉回復が図られる保証もない」「インターネットの掲載だからといって、閲覧者が信頼性の低い情報として受け取るとは限らない」として、ネットに限り基準を変えるべきではないとしました。
まあ、普通に常識的な判決と言えます。
ネットの書き込みだろうが新聞の記事だろうが自分の口だろうが、名誉毀損の水準が変わってはいけないと思います。

しかし、「閲覧者が信頼性の低い情報として受け取るとは限らない」という最高裁の判断には驚きました。
ネットには膨大な情報が発信者の素性もわからないままあふれています。
それらの情報は裏付けが弱いため、そもそも本気にするほうが間違っていると思います。
しかし今では「ネットの情報を鵜呑みにする人が多い」ということです。
たとえそれが間違っていても、ネットを使う人の意識が大幅に変わったということでしょう。

最近ではネットの発達はめまぐるしいものがあります。
現代ではWebサイトやブログやツイッターなど、個人が情報を発信することは非常に容易になりました。
でもその技術の発達に、個人の尊法意識の発達がまるでついていっていないのが現状です。
特に「著作権」「個人情報」「肖像権」「名誉毀損」あたりは、全然気にしていないしていない人が多すぎると感じます。
ネットへの発信は自分だけのプライベートな日記ではなく、全世界に情報を発信しているという責任と覚悟が必要です。
これらは「知らなかった」「これくらい、いいじゃない」「他の人もやってる」では済まされません。
私もあなたも民事・刑事事件の当事者になり得るのです。

そしてこちらは各社の社説の抜粋です。
ある意味、ネットと対立関係にある新聞社、かなりの力を入れて書いています。
社説:ネット中傷有罪 「無責任さ」への警鐘だ(毎日新聞社)
【主張】ネット中傷 責任とモラルを忘れるな(産経新聞社)
ネットの倫理―自由な言論は責任が伴う(朝日新聞社)
名誉棄損事件 ネットの情報も責任は重い(読売新聞社)
しかし、情報の発信には責任も伴う。「表現の自由」と「言論の自由」は、健全な社会を守るためのものであり、今回のケースのように、根拠のない誹謗(ひぼう)中傷を容認するものではない。(読売)自由な発言には責任が伴うことを自覚しないといけないのは、ネット上でも同じことだ。次世代を担う子どもには、あふれる情報を読み解き、正しく発信する能力を身につけさせたい。ネット空間を、秩序ある公共の場にする。それは私たちの社会のとても重い課題だ。 (朝日)一方的な立場の主張を裏付けなく垂れ流したり、当事者への事実確認を全くせずにプライバシーに踏み込んだ書き込みをすれば、罪に問われる場合もある。そのことをネットユーザーは心すべきである。本来、ネットに限らず、無責任で行き過ぎた表現行為は許されない。教育現場では、ネット犯罪に巻き込まれたり、ネット上のいじめをしないように講師を招いて教える取り組みが進む。ブログなどでの情報発信が広まる中、表現する責任も伴うことを今後は教えてほしい。(毎日)ネットの自由と、法による規制のバランスをどのように取っていくか。学校などでのネット利用についてのルール面での教育など、地道な努力も必要だ。今回の判決を機に、「健全なネット社会」を構築しなくてはならない。(産経)
さすがマスコミ様、上から目線で自分のことを棚にあげた意見の数々、恐れ入ります。
特に某新聞社さん、こんな記事一方的な立場の主張を裏付けなく垂れ流したり、当事者への事実確認を全くせずにプライバシーに踏み込んだ書き込みをしたりといった、無責任で行き過ぎた表現行為は絶対に許されないですよね。


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コメント

  1. ダニエルさん より:

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    くいしんぼさま
    見てくれる人が多くなればなるほど、そういうようなことも多くなるのでしょう。
    もちろん誹謗中傷は触法行為なのですが、ネット上では残念ながらほとんどが野放しの状態です。
    実害がない限り「気にしない」のが現実的な対処方法なんでしょうね。

  2. くいしんぼ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    私、子供たち、よく2ちゃんねるにてよく、誹謗中傷されています。
    もう何年間も続いています。